후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
お涌は女学校の四年生であった。お涌が十一の少女の時、皆三に与えた蝙蝠は、籠のなかでじき死んで仕舞ったが、お涌は蝙蝠のとき以来、日比野の家と縁がついて、出入りするようになった。日比野の家の、何か物事を銜んで控え目に暮している空気がお涌にはなつかしまれた。それには豪華を消しているうすら冷たい感じがあった。お涌自身の家は下町の洋服業組合の副頭取をしていて、家中が事務所のように開放され、忙しく機敏な人たちが、次々と来て笑い声や冗談を絶さなかった。ときには大量の刷物の包みがお涌の勉強机の側まで雪崩れ込んだりした。
お涌は今では、日比野の家の格子戸を開けて入ると女中の出迎えも待たず玄関の間を通り中庭に面している縁側へ出て、その突当りの土蔵の寒水石の石段に足をかける――「いるの」という。中から「いるよ」と機嫌のいい声がして「早くおはいりよ」と皆三のいうのが聞える。そのときおくれ馳せに女中が馳せつけて「失礼しました」と挨拶してお涌を土蔵の中に導き、なにかと斡旋して退く――というような親しさになっている。
薄暗いがよく整った部屋で、華やかな絨氈の上に、西洋机や椅子が据えてあった。