후리가나로 읽는 일본 고전
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せいりんず
西林図
久生 十蘭
久生 十蘭의 西林図(せいりんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,309자 · 21화면
「ここに居着いているというだけのことで、わたしのものではありませんから、そういうことだったら、存分にしてくだすっていいのですが、それはそれとして、まあ、こちらへおいでになりませんか。お茶でもさしあげましょう」
そういうと、後手に組んで、いま来たほうへ、ゆっくりとひきかえした。
池の縁をまわって、南下りになった櫟林の中を行くと、はるかむこうの芝生の端に、マンサルドのついた宏壮な洋館の屋根が見え、それを見おろすような位置に、檐の低い、暗ぼったい柾屋がたっていた。
信州あたりにある三つ割式の家作りで、家の真中を表から裏まで土間がつきぬけ、土間からすぐ框座敷になって、そこに大きな囲爐裏が切ってあった。
一方は出居の間、一方は勝手で、奥に板戸の大きな押入のついた寝所があった。窓には半蔀がつき、勝手の棟から柾屋根を葺きおろして、そこが吹きぬけの風呂場になっているらしかった。
囲爐裏には黒く煤けた竹筒の自在鍵がかかり、手焙りは粗末な今戸焼、床の間には木の根ッこの置物が一つあるだけで、香爐にも柱掛にも、茶がかったものはひとつもなかった。
「どうぞ、お入り」
慇懃に二人を招じ入れ、三方から囲爐裏を囲むようにして坐ると、老人は茶釜から茶を汲み、すすめるでもなくすすめぬでもなく、それを爐縁のうえに置きながら、