후리가나로 읽는 일본 고전
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みえざるてき
見えざる敵
海野 十三
海野 十三의 見えざる敵(みえざるてき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,777자 · 16화면
「どこへ逃げる。こいつ、待てッ」
とウルスキーは博士を衝立のうしろに追いこんだ。だが、彼は衝立のうしろに、何にもない空間を発見したに過ぎなかった。そこへ逃げこんだにちがいない博士の姿がまるで煙のように消えてしまったのである。
「ワーニャ、硝子壜をもってすぐ逃げろ。ぐずぐずしていると、生命が危い」
ワーニャは決心して硝子壜を抱えあげた。壜はわりあいに重かった。
二人は出口の方へ向って走りだした。
とたんにガチャンと大きな音がした。
「失敗った」
とワーニャが叫んだが、もう遅かった。彼の抱えていた硝子壜は床の上に墜ちて、粉々になった。
二人はワッといって、外に飛びだした。
どっちへ行ってよいかわからぬ四馬路の濃い霧の中を、二人は前になり後になり、必死に駈けだした。
それでも、とにかく博士の追跡をのがれて、首領ウルスキーとワーニャは、一時間あまり後に仏租界に聳えたつ大東新報ビルの裏口の秘密扉の前に辿りついた。
悪漢ウルスキーなる人物は、マスクを取ると、いま上海国際社交界の大立者として知らぬ人なき大東新報社長ジョン・ウルランドその人に外ならなかった。ウルランド氏は、謹厳いやしくもせぬ模範的紳士として、社交界の物言う花から覘いうちの標的となっていた人物だった。