후리가나로 읽는 일본 고전
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あかいらくだ
赤い駱駝
梅崎 春生
梅崎 春生의 赤い駱駝(あかいらくだ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,820자 · 24화면
いずれ本土上陸ということになれば、さしずめここらが真先に戦場となるわけだった。しかし洞窟生活は憂鬱だったな。湿気は多いし、ことに七、八月ともなれば手荒くむし暑いしさ。一日中気がいらいらして、落着かない。頭をぐっと押しつけられているような気がする。士官室にいても(もちろん洞窟のなかの)ふつうの話し声も険を帯びてきて、時には罪もない従兵がひっぱたかれたりするんだ。こういう気分になると、人間は自分のこと以外はあまり考えなくなるようだな。自分を他人とむすびつけているものが、なにか贋物みたいに見えてくるんだ。この部隊で、おれたちはこんな具合にくらしていた。いつ敵が上陸して、ここが戦場になるのかなどと、考えてみたり、忘れようとしてみたりしながら。
しかしあそこは、夕焼がひどくきれいな海岸だったなあ。夕食がすむとおれはときどき海岸に出て、夕焼をながめたりしたもんだ。空の央ばをおおう、言いようもなく微妙で華麗な色の饗宴が、海に照り映えて、すこしずつ色合いをかえてゆく。それを眺めていると、自分がどこからか脱けだして、遥かな遠いところへ行くような気がするんだ。しかしその時間も、十分間ぐらいなものだ。