일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しゅみのいでん

趣味の遺伝

夏目 漱石

夏目 漱石의 趣味の遺伝(しゅみのいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,235자 · 77화면

아오조라 문고

人殺しの傍で都々逸を歌うくらいの対照だ。ところが妙な事はこの滑稽を挿んだために今までの凄愴たる光景が多少和らげられて、ここに至って一段とくつろぎがついた感じもなければ、また滑稽が事件の排列の具合から平生より一倍のおかしみを与えると云う訳でもない。それでは何らの功果もないかと云うと大変ある。劇全体を通じての物凄さ、怖しさはこの一段の諧謔のために白熱度に引き上げらるるのである。なお拡大して云えばこの場合においては諧謔その物が畏怖である。恐懼である、悚然として粟を肌に吹く要素になる。その訳を云えば先ずこうだ。

吾人が事物に対する観察点が従来の経験で支配せらるるのは言を待たずして明瞭な事実である。経験の勢力は度数と、単独な場合に受けた感動の量に因って高下増減するのも争われぬ事実であろう。絹布団に生れ落ちて御意だ仰せだと持ち上げられる経験がたび重なると人間は余に頭を下げるために生れたのじゃなと御意遊ばすようになる。金で酒を買い、金で妾を買い、金で邸宅、朋友、従五位まで買った連中は金さえあれば何でも出来るさと金庫を横目に睨んで高を括った鼻先を虚空遥かに反り返えす。