일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しゅみのいでん

趣味の遺伝

夏目 漱石

夏目 漱石의 趣味の遺伝(しゅみのいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,235자 · 77화면

아오조라 문고

「やはり御承知か、原町にいる。あの娘もまだ嫁に行かんようだが。――御屋敷の御姫様の御相手に時々来ます」

占めた占めたこれだけ聞けば充分だ。一から十まで余が鑑定の通りだ。こんな愉快な事はない。寂光院はこの小野田の令嬢に違ない。自分ながらかくまで機敏な才子とは今まで思わなかった。余が平生主張する趣味の遺伝と云う理論を証拠立てるに完全な例が出て来た。ロメオがジュリエットを一目見る、そうしてこの女に相違ないと先祖の経験を数十年の後に認識する。エレーンがランスロットに始めて逢う、この男だぞと思い詰める、やはり父母未生以前に受けた記憶と情緒が、長い時間を隔てて脳中に再現する。二十世紀の人間は散文的である。ちょっと見てすぐ惚れるような男女を捕えて軽薄と云う、小説だと云う、そんな馬鹿があるものかと云う。馬鹿でも何でも事実は曲げる訳には行かぬ、逆かさにする訳にもならん。不思議な現象に逢わぬ前ならとにかく、逢うた後にも、そんな事があるものかと冷淡に看過するのは、看過するものの方が馬鹿だ。かように学問的に研究的に調べて見れば、ある程度までは二十世紀を満足せしむるに足るくらいの説明はつくのである。