후리가나로 읽는 일본 고전
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みがわりのはなよめ
身代りの花嫁
野村 胡堂
野村 胡堂의 身代りの花嫁(みがわりのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,685자 · 22화면
翌朝、
「勇美子さん、其方へ行ってはいけません」
花嫁の化粧室へ入ろうとする勇美子は、母親に見付かって、そのはしたなさを叱られてしまいました。
「だって」
「何がだってです」
「詩子お姉様がいいって仰しゃるんですもの。それに、お化粧も学問だってお母様が仰しゃったことがあるでしょう」
「まア、この子は」
母親も二の句がつげませんでした。
その間に、化粧室に舞込んだ勇美子は、後から、前から、横から、言いようもなく美しい詩子を眺めながら、コッティの白粉を取ってやったり、クリームを取ってやったり、そっと髪を撫で付けてやったり、ハチ切れそうな好奇心で、お嫁に来る前からよく知って居る詩子のお化粧の世話を焼いて居りました。
「あら、その紅はどうかして居るんじゃないの?」
と勇美子は、鏡の前の棒紅を取上げて、唇へ持って行こうとする詩子の手をとめました。
「旅行しないことになったから、ボストン鞄の中から肉色のを出したの、――あんまり紅いのは変でしょう」
詩子はまだなんにも覚りません。
「その紅のまん中に穴があいて、小さい小さい水っ玉が付いてるでしょう、一寸」
勇美子は手に受取ってその棒紅の頭に沁み出した水っ玉を嗅ぎました。