일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぐんこくかようしゅう

軍国歌謡集

山川 方夫

山川 方夫의 軍国歌謡集(ぐんこくかようしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,655자 · 80화면

아오조라 문고

雨の夜にも、それは聞こえてきた。歌はやはり軍国調のものばかりで、女は、なにかかたくなに、それを自分に課してさえいるみたいだった。私には好都合なことに、大チャンの帰宅は、かならず十二時より遅くなった。巨匠の山賊役は終ったようだったが、彼は仕事がけっこう繁昌しているらしい様子だった。計画どおり、私は大チャンをダマしつづけた。

もっとも、歌声の主は、いつかの私の行為をけっして忘れたのではなかった。歌の声は、私たちの下宿の近くまでくると、急に遠慮したみたいに低くなったり、時にはぷつんと切れたりして、でも、たいていは私の部屋の窓がおとしている灯影の範囲をすぎるあたりからもとの調子に戻るのだが、三度に一度はそのまま聞こえてこなかったりした。

あの娘が、あれからのち、私の存在を気にしていることはたしかだった。むしろ、脅えていた、というべきなのかもしれない。ふと歌声が中断して、そのあとにつづく数瞬間、私はたびたび漆黒の夜の闇の中に、敏感に敵の気配を察知して身をかたくし、そっと迂回して行くそんな小動物のような娘の、私に向けられた意識を、ありありと肌に感じたりした。