후리가나로 읽는 일본 고전
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ついおく
追憶
宮本 百合子
宮本 百合子의 追憶(ついおく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,363자 · 35화면
二日も降り続いて居た雨が漸う止んで、時候の暑さが又ソロソロと這い出して来た様な日である。
まだ乾き切らない湿気と鈍い日差しが皆の心も体も懶るくさせて、天気に感じ易い私は非常に不調和な気分になって居た。
一日中書斎に座って、呆んやり立木の姿や有難い本の列などを眺めながら、周囲の沈んだ静けさと、物懶さに連れて、いつとはなし今自分の座って居る丁度此の処に彼の体の真中頃を置いて死に掛った叔父の事を思い出して居た。
私が七つの時に叔父は死んだ。
そして其の死は極めて平凡な――別に大した疑問も多くの者が抱かなかった程明かな病名と順序を持ったものであった。
彼は悲しまれ惜しまれて丁寧に葬られた。
けれ共十年立った今では死んだ者の多くがそうである通りに彼の名も彼の相貌も大方は忘られて、極く稀に兄弟や親族の誰彼の胸に「昔の思い出」として淡い記憶の裡に蘇返るばかりである。
其故只一年位ほか一緒に居なかった私而かもまだ小学に入った許り位の私にとって彼の現れそして去った間の事には、新たな涙を今も流す程の事として残されては居なかった。
それは当然の事として去年あたりまでは過ぎて来て居たのである。