후리가나로 읽는 일본 고전
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とんそう
遁走
葛西 善蔵
葛西 善蔵의 遁走(とんそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,581자 · 23화면
そこへ土井(やはり笹川の小説のモデルの一人)がやってきた。彼はむずかしい顔して、行儀よく坐ったが、
「君のところへは案内状が行ったかね?」と、私は訊いた。
「いや来ない……」
「ふーむ」と言った彼は頤のあたりを撫で廻して、いっそうまた気むずかしく考えこんだ風であったが、やがて顔をあげて、笹川に向って言いだした。
「じつは、僕も発起人の一人となっていて、今さらこんな我儘を言ってすまないわけだが、原口君とか馬越君とかそうした親しい友人を除外した、全然出版屋政策本位の会だとすると、僕の気持としては、出席したくはないのだ。もともとそうした動機からなりたった会ではないのだからね。それで僕は今ここに明日の会費を持っているから、これで原口君とか馬越君とか明日出席しない人たちだけ寄って、僕らの最初の心持どおり、君のこのたびの労作に対して心ばかりのお祝いをしたいと思うから、どうかそういうことにして、悪しからず思ってくれたまえ」土井はこう言って、近所に住っている原口を迎えに、すぐにも起ちあがりそうな気勢を見せた。
「そりゃ君困るよ」と笹川は狼狽して言った。「そんなこと言われては、僕は困っちまうよ。