후리가나로 읽는 일본 고전
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
水野 葉舟의 遠野へ(とおのへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 55,903자 · 117화면
昨晩、私共にお泊りでした、判事さんのお連れっていう事にして、やっと承知させました。」と、番頭はしきりに手柄顔に言う。
で、いよいよここを発つこととなった。
九時頃に馬車が来た、というので二階を降りた。宿屋の門に出ていると、東の方からI君がこようとするところだった。M君もちょうど来た。そのほかにも二人ばかりの人が来た。私はこの人達に、心残りがするようで、なにか互いに言うべきことがたくさんあるように思った。が、なんにも言わずに、ただ笑っていた。
「東京からは手紙を如何ぞ。」と、向い合って立ちながら、I君が言った。
「え。」私はただ笑っていたくらいで、言葉がでなかった。
S君は草鞋ばき、脚絆で、着物の尻を引きからげてM君に並んで立っている。そこへ馬車が来た。私はこの人達に会釈して、天井に頭がつかえそうな馬車のなかに乗り込んだ。そして窓に下ろしてある垂幕を上げて、外に立っている人の前に顔を出した。そこへ家の中から、色の黒い、頬骨の高い、髭の生えた三十七八の人が出て来た。それにつづいて、頭の禿げた村の役人らしいのが、渋紙に包んだ軸物を持って出て来た。髭の人は、馬車に乗ると、その男にちょっと会釈してそれを受取った。