후리가나로 읽는 일본 고전
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
島 秋人의 遺愛集(いあいしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,488자 · 102화면
昭和三十八年
このなれし手つきの愛し死囚われ鉄の飯皿まるく拭きつつ
鉛筆のぬくもり愛しいくばくの生命と思ふ獄の夜更けに
許すと云ふ言葉望めずつぐなひの死刑を待つ身夜具重く寝る
死刑囚われある故に慎みのくらしすといふ老父のふみ読む
老い父の生活は楽にはならざれど窓ある家に移りしを知る
窓のある家に移りし老父おもひよろこびゐつつ眠り得ざりき
老父よりの手紙は余白が多かりき要件のみの字を読みて更く
幼な日の憶ひに小さきドングリのひとつころがす獄の畳に
手にすくふ細き洩れ陽は金網の影をこまかに描きてありたり
移り来し明るき独房も金網あれど冬陽さしゐてまるき日が見ゆ
うるはしき心極まるバプテスマ受くる席にゐてピアノ聴きつつ
かへりみるゆとり愛しみ憶ひつつ双掌の冬陽あたたかく受く
金網洩れの冬陽に指の翳のばしちひさき幸のひとつをみたす
金網洩れの細き日向に身をいれてたはむれのごと移りつつをり
死囚のみ二人出で来てボール投ぐ日向の位置を替りあひつつ
悲しみのはてにたどりしゆとりなり冬の獄灯無心にみつむ
ふり返るいのち尊し除夜の鐘鳴り了へて獄に顔を洗ひぬ
昭和三十八年
「毎日歌壇賞」受賞。父が面会に来る。
文鳥一羽を飼うことを許される。