후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅゆうれつでん
酒友列伝
山之口 貘
山之口 貘의 酒友列伝(しゅゆうれつでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,066자 · 12화면
かれと共通する友人で、まだ一度も小説を発表したことのない小説家楢島兼次も酒友で、かれとは酒だけでなく、時には川向うへ泊りに行ったりした。ある日、ぼくに女をおごってくれるというので、渋谷のある待合へ案内された。楢島は江戸ッ子であるが、なにかにつけ内外に対する心づかいの細かい男で、その妹さんなど、将来の夫としては「うちの兄みたいな人を。」と云っているくらいなのであった。さて、その晩、三人の女がお酌に出た。「ばくさんどっちにする。」と楢島が云った。ぼくは遠慮して、楢島のを先に定めてもらいたかったのだが、どうしてもかれが承知しないので、こころのなかでひそかに願っていた女のひとを御馳走になったのである。ところが、翌朝になって、ぼくはがっかりしてしまった。あるべきところに一本もなかったからなのである。朝茶を呑みながらの話に、
「それがね、一本もないんだ。」と云うと、
「そうかい!」と楢島も眼をまるくした。
昭和二十四、五年あたりから、ぼくはあまり飲み屋を転々としなくなった。もともとハシゴはやらないで腰を落ち着ける方なのであるが、にもかかわらず飲み屋を変えたのは、住所の転々に従ったからなのである。