후리가나로 읽는 일본 고전
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のわき
野分
山本 周五郎
山本 周五郎의 野分(のわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,401자 · 42화면
脇屋はそれほどでもないが、他の年寄たちが眼を光らせているので、それから暫くは外出もできず、又三郎は居間にこもって退屈な無気力な日を送った。――これではまるで押籠め同様だ、そう思った、想いは暗く、光りも希望もなかった、窓からは晴れて爽やかに風のわたる空が見えた。或るときふと窓から醜く縮れた桜の枯葉が舞いこんで来た、彼はそれを手に取り、かさかさに乾いて虫に蝕われた、穴だらけの葉をまさぐりながら、それがそのまま自分の身の上のように思えて憂鬱になった。……又三郎は出羽のくに新庄藩の侍で、父は楢岡兵庫といい、物頭を勤めていた。彼はその二男として育ったが、実は藩主のとのかみ戸沢正陟の庶子で、生れるとすぐ楢岡兵庫の手にわたされ、その二男として成長したのである。そのころ能登守には帯刀という世子がいたし、その下にも右京、主計、市蔵など男子が五人もあった。それが次ぎつぎと死去し、五年まえから一人も跡目を継ぐ者なしに現在に及んでいる、そこで去年の春あたりから嗣子選定の問題が起こり、初めて又三郎の身分が表面にうかびあがった。かれ自身もそれまでの育てられようから、自分が兵庫の実子でないということはほぼ察していたので、藩主の庶子だと聞いてもかくべつ驚きはしなかった。