후리가나로 읽는 일본 고전
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のわき
野分
夏目 漱石의 野分(のわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,508자 · 189화면
――今日は風が吹く。昨日も風が吹いた。この頃の天候は不穏である。しかし胸裏の不穏はこんなものではない」
道也先生は、がたつく硝子窓を通して、往来の方を見た。折から一陣の風が、会釈なく往来の砂を捲き上げて、屋の棟に突き当って、虚空を高く逃れて行った。
「諸君。諸君のどれほどに剛健なるかは、わたしには分らん。諸君自身にも知れぬ。ただ天下後世が証拠だてるのみである。理想の大道を行き尽して、途上に斃るる刹那に、わが過去を一瞥のうちに縮め得て始めて合点が行くのである。諸君は諸君の事業そのものに由って伝えられねばならぬ。単に諸君の名に由って伝えられんとするは軽薄である」
高柳君は何となくきまりがわるかった。道也の輝やく眼が自分の方に注いでいるように思れる。
「理想は人によって違う。吾々は学問をする。学問をするものの理想は何であろう」
聴衆は黙然として応ずるものがない。
「学問をするものの理想は何であろうとも――金でない事だけはたしかである」
五六ヵ所に笑声が起る。道也先生の裕福ならぬ事はその服装を見たものの心から取り除けられぬ事実である。道也先生は羽織のゆきを左右の手に引っ張りながら、まず徐ろにわが右の袖を見た。