후리가나로 읽는 일본 고전
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のわき
野分
夏目 漱石의 野分(のわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,508자 · 189화면
高柳君はセロの何物たるを知らぬ。二、ソナタ……ベートーベン作とある。名前だけは心得ている。三、アダジョ……パァージャル作とある。これも知らぬ。四、と読みかけた時拍手の音が急に梁を動かして起った。演奏者はすでに台上に現われている。
やがて三部合奏曲は始まった。満場は化石したかのごとく静かである。右手の窓の外に、高い樅の木が半分見えて後ろは遐かの空の国に入る。左手の碧りの窓掛けを洩れて、澄み切った秋の日が斜めに白い壁を明らかに照らす。
曲は静かなる自然と、静かなる人間のうちに、快よく進行する。中野は絢爛たる空気の振動を鼓膜に聞いた。声にも色があると嬉しく感じている。高柳は樅の枝を離るる鳶の舞う様を眺めている。鳶が音楽に調子を合せて飛んでいる妙だなと思った。
拍手がまた盛に起る。高柳君ははっと気がついた。自分はやはり異種類の動物のなかに一人坊っちでおったのである。隣りを見ると中野君は一生懸命に敲いている。高い高い鳶の空から、己れをこの窮屈な谷底に呼び返したものの一人は、われを無理矢理にここへ連れ込んだ友達である。
演奏は第二に移る。千余人の呼吸は一度にやむ。