후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
霧がおりてきた。
葵が憔悴した様子で自分の部屋へ帰ってきた。着物もぬがずに寝床の上へ横になった。壁のうえで夕映えが少しずつ薄れかけていた……
葵が乾の家へゆくと、乾は二階の部屋で丹念に小刀を使いながら花台の脚を修繕していた。山瀬という軍人のような見かけの男と久我とが逢っているのを知らしてくれたら、旅費の五十円を貸そうという約束だったので、いそいで知らせに行ったのだった。いま、二人で大久保の射的場のほうへ行った、と告げると、乾はいつものように額をにらむようにしてなにか考えていたが、やがてニヤニヤ笑いながら葵のほうへ近よってきた。その笑いに、なにかぞっとするようないやらしさがあった。いつもとすこしようすがちがっていた。
葵は力のかぎり反抗した。が、突然強く寝台に投げつけられて軽い眩暈をおこしているうちに、もう身動きが出来ないようになっていた。乾の身体を押しのけようともがいたが、手が萎えたようになって、てんで力がはいらないのだった。ゆるしてください、それだけは、ゆるしてください、と譫言のように喘えぎつづけるばかりだった。
夕食の仕度がはじまったのだろう。