후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
2
青年が警部の前へすすみでた。
「私はまだすんでおりません」
警部は、すこしてれながら、
「ああ、……君は?」
「私は四日前に台北から上京いたしまして只今は麹町〈南平ホテル〉に泊っております。もとは青島の貿易商会につとめておりました。現在は無職……失業中なのです。……久我千秋。明治三十五年生れ」
そういって、上品なおじぎをした。
五人はわいわいいう弥次馬をおしわけながら街路へでた。
久我が片手をあげる。久我と葵をのせて、自動車は走り去った。
2
御苑裏の暗い街路に、〈シネラリヤ〉が夜の花のようにほの明く咲いていた。
階下は喫茶店になっていて、白い紗のカアテンをすかして、椰子の葉と常連の顔を見ることが出来る。しかし、二階のダンシング=バアの方は、さように開放的ではない。肉色のカアテンが、薄い下着のようにその肉体を蔽いかくしている。
ここに集まるひとびとは、いわゆる、大東京の通人たちである。この都会の最も装飾的な要素であり、東京の「遊楽街」の伝説口碑に通暁しているすぐれた土俗学者たちだ。多少は互いの身分を知り合い、いくらかずつは、互いに肉親的なものを感じている連中である。