후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
……ふ、ふ、ひとに言っちゃいけませんよ。……うらまれますからな。警察に協力するのは市民の義務でさ。……生意気に! ひとを馬鹿にしやがるから。……ざまあ見ろ、人殺しめ。……では、今晩定刻に……」吸いさしの煙草を、火のついたままポイと廊下に投げだすと、踊るような足どりで、歩いていった。
久我があっけにとられて、そのあとを見おくっていると、また扉があいて、こんどは、西貝が出てきた。ひどくはしゃいだ声で、
「おつぎの番だよ」
と、いった。荒い息づかいをしていた。
巡査が扉から首だけ出して、思いのほか丁寧な声で、久我さん、と呼んだ。
久我がベンチから立ちあがろうとする拍子に、膝から麦稈帽子が落ちた。どこまでもコロコロと転げていって、はるか向うの壁にぶつかると、乾いた音をたてて、そこでとまった。
久我は、なぜかひどくうろたえて、帽子をとりあげると、よろめくような足どりで戻ってきた。
「おい、久我君、待ってるぞ。記者溜で」
久我は、ちょっとふりかえると、妙に印象に残るような微笑をうかべて肯いた。扉がしまった。
「おお、どうでした、西貝さん」
西貝が記者溜へはいってゆくと、ひどい煙のなかから、いきなり那須がこう声をかけた。