후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
長椅子にむかって身構えをしながら、乾が鋭い声で叫んだ。
「出てこないと、これで突っ殺すぞ!」
十八九の、小柄な娘がひょっくりと顔をだした。眼だまをくるくるさせながら、おどけた調子でいった。
「泥棒だゾ」眼の窪んだ、つんと鼻の高い、すこし比島人じみているが、愛くるしい健康そうな娘だった。伸びすぎた断髪をゆさゆさとゆすぶり、小粋な蘇格蘭土縞のワンピースを着ていた。力の抜けたような声で、乾がいった。
「……お前、……鶴……」娘は背凭せを跨いでどすんと椅子のなかへ落ちこむと、おかしな節をつけて唄った。
「……天から落たる絲満小人、幾人揃うて落たがや!」
そして、嗄れた声で、は、は、と笑った。
突っ立ったまま、乾はひどく険しい顔で、
「鶴! どんな風にしてはいってきた」と、怒鳴った。
鶴が口を尖らして、こたえる。
「開いてたよ」
「嘘言だろう、錠がおりてた筈だ。(そういうと、つかつかとそばへ寄っていって、ギュッと鶴の耳をひっぱった)おい! ここへやって来てはならんと言っておいたろう、どんなことがあっても!」鶴は平気な顔で、うん、とうなずいた。
「それから、琉球言葉をつかってならんと言っといた。