후리가나로 읽는 일본 고전
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こんじきのし
金色の死
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 金色の死(こんじきのし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,997자 · 46화면
岡村君は私を其れに乗り移らせて、自分も車の上から鞭を執りながら更に坦道の奥深く進んで行くのです。
甘い、鋭い、芳しい、いろ/\の花の薫りが頻りに私の嗅覚を襲いました。車輪の廻転するまゝに揺られ揺られる瑶珞のような花束を慕って二人の周囲には間断なく蝶々の群が舞い集い、藪鶯のけたゝましい声が折々私の耳朶を破ります。路が入江の汀に近づいた時、われ/\は車を乗り捨てゝ今度は一艘の小舟に移り、鏡のような水面に櫂を操って対岸の絶壁の蔭へ漕いで行くのです。
断崖の角をぐるりと廻ると、其処はひろびろとした江湾の中心で、沿岸に起伏する山野楼閣が一望のうちに眺められました。入江に続く蘆の湖は漫々として遠く暮靄の羅衣に隠れ、四顧すれば、駒ヶ岳、冠ヶ岳、明神ヶ岳の山々は此の荘厳な天国の外廓を屏風の如く取り包んで居ます。忽ち私は舟の舳から一間程離れた岸辺の芝生に高さ一丈もあろうと云う馬身人面のケンタウルが、背中に女神を乗せながら空を睨んで立って居る青銅の像を認めました。舟は丁度その怪獣の足元で纜を結んだのです。
芝生の広さは凡そ三百坪もありましょうか、一方は水に限られ、一方は若草山の形に類する円々とした丘に劃られ、他の両方はこんもりとした白楊の林に遮られて、中央の小高い所には音楽堂のような六角形の小亭が建てられて居ます。