후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,907자 · 32화면
風に吹かれている。大きく揺れている。小刻みにふるえている。庇越しに、階上から細引で垂れ下がっているのだ。
「あおっ!」
と、出そうとしても出ない声を出して、初太郎は風に突き飛ばされるように一瞬に部屋に転げ込んでいた。無意識だった。あたまから蒲団を被って、もう一度叫ぼうとした。声を成さなかった。初太郎の聞いたものは、自分の歯の細かくかち合う音だった。そしてそれは、まるで鍛冶屋の乱打ちのように、耳いっぱいに響いた。
悪夢?――しかし夢ではない。初太郎はこわごわ床のうえに起き上って見ると、紛れもない女の首吊が、雨戸のすぐ外に宙乗りして、一段黒く遮ぎっているのだ。風を受けて、前後左右にしずかに揺れている。そればかりか、凝視めているうちに首吊は、すう、すうと上から誰かが引き上げるように、五寸ぐらいずつ競りあがって往くではないか――。
初太郎は、眼をこすった。見直すまでもなく、女だ。女の首吊だ。この鍋屋のお美野だ。
「うわあっ!」と、両手を頭のうえに振り廻して、初太郎は、弾ね仕掛けのように躍り上っていた。
「お女将さんだあ――!」
ここは大鍋の別棟で、母家とは庭つづき、客が立て混まないかぎり、普段は家うちの者が寝泊りをするところとなっているのだが、その晩は混んでもいたし、それに、小金井の初太郎は以前からの定客なので、なか