일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,907자 · 32화면

아오조라 문고

これが、彼を釘抜と呼ばしめた真個の原因であったかもしれないが、本人の藤吉は、その名をひそかに誇りにしているらしく、身内の者どもは、藤吉の鳩尾に松葉のような、小さな釘抜の刺青のあることを知っていた。現代の言葉でいえば、異常に推理力の発達した男で、当時人心を寒からしめた壱岐殿坂の三人殺しや、浅草仲店の片腕事件などを綺麗に洗って名を売り出したばかりか、当時江戸中に散っていた大小の眼あかし岡っ引の連中は、たいがい一度は藤吉部屋で釜の下を吹いた覚えのある者で、また彼らの社会では、そうした経験が何よりの誇りであり、頭と腕に対するひとつの保証でもあった。で、繩張りの厳格な約束にもかかわらず、藤吉だけはどこの問題へでも無条件に口を出すことが暗黙のうちに許されていた。が、自分から進んで出て行くようなことは決してなかった。そのかわり頼まれればいつでも一肌脱いで、寝食を忘れるのがつねであった。つぎからつぎと各方面から難物が持ち込まれた。それを、多くの場合推理一つで、快刀乱麻の解決を与えてきていた。お堀の水に松の影が映らない日はあっても、釘抜の親分の白眼んだ犯人に外れはないと、江戸の町まちに流行の唄となって、無心の子守女さえお手玉の合の間に口ずさむほどの人気であった。