후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,998자 · 32화면
伝二郎はぐっしょり汗をかいて固くなっていた。恐ろしさを通り越して自分でもなんとなく不思議なほど平静になっていた。ただ、三千両という数字が彼の全部を支配していた。これだけたんまり手に入れて見せれば、養家の者たちへもどんなに大きな顔ができることか、一朝にして逆さになる自分の地位を一瞬の間に空想しながら、焼きつくように彼は女の肩ごしにその壁の面を睨んでいた。が、眼に映ったのは堆高い黄金の山であった。もうふところにはいったも同然な、その三千両の現金であった。彼も亦商人の子だったのである。
と、女が立ち上った。細い身体が煙のように揺れたかとおもうと、枕頭の障子を音もなく開け閉てして、そのまま縁側へ消えてしまった。出がけに伝二郎を返り見て、にっと笑ったようだった。改めて夜着の下深くに潜って、彼は知っているかぎりの神仏の名を呼ばわっていた。が女が出て行くや否や、がばと跳ね起きて壁の傍へ躙り寄った。気のせいかそこだけ少し分厚なように思われるだけで、外観からは何の変異も認められなかった。が、水を浴びたように濡れていたあの女が今の今までいたその畳に、湿り一つないことに気がつくと、きゃっと叫びながら伝二郎は狂気のように床へ飛んで帰った。