후리가나로 읽는 일본 고전
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はちのき
鉢の木
山本 周五郎
山本 周五郎의 鉢の木(はちのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,534자 · 28화면
「さて合戦はじまらば、敵大勢ありとても、かたき大勢ありとても、一番に割って入り、思う敵と寄り合いて死なん、……」声いっぱいに謡いながら、土間へおりた四郎兵衛はそこで「佐伯どの……」とふり返った、「萩尾……」かれは兜の眉庇の下から、じっと二人を瞶めたが、さらばと云いさま鎧の袖をはらって大股に外へ出ていった。
又左衛門と萩尾はそこに坐ったままじっと戸外の物音に聞きいっていた。馬がたかく嘶き、逸りたって地を蹴る、佐伯家の家僕たちの制する声につづいて、すぐ戞々と蹄の音がおこり、それが道へと出てゆく、……萩尾はつよく眼をつむった、馬上に眉をあげている兄の顔がありありと見える、どんなにご本望だろう、そう思ったとき道のかなたで高だかと大きく四郎兵衛の喚くこえが聞えた、「わあーっ」声いっぱい喚きたいと云ったが、ついにかれは喚いたのである、続いてどっと蹄が大地を打ち、そのままいっさんに疾駆していった。御武運めでたく……萩尾は蹄の音の聞えなくなるまで、心のうちにただそれだけを祈った、「なんと羨ましいものだろう」又左衛門がしずかに呟いた、「……ゆき着けば死ぬときまっている