후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
呟きながら佇んでいると、庭を隔てた黒塀の上へ突然人影が現われた。
「さてこそ賊」と庭下駄を穿き庭を突っ切り追い逼ったが奇妙にも賊は逃げようともしない。
「藪殿か。私じゃ私じゃ」
ヌッと顔を突き出した。
「おおあなたは貧乏神様で?」紋太郎はすっかり胆を潰した。
「さようさようその貧乏神じゃ。……何んとその後はいかがじゃな?」
「はい、近頃はお陰をもって……」
「ふむふむ、景気がよいそうな。それは何より重畳重畳。みんな私のお陰じゃぞよ。なんとそうではあるまいかな。数代つづいて巣食っていた貧乏神が出て行ったからじゃ」
「仰せの通りにござります」
「で、私には恩がある。な、そうではあるまいかな?」
「はいはい、ご恩がございますとも」
「では、返して貰おうかな?」
「しかし、返せとおっしゃられても……」
「何んでもござらぬ。隠匿ってくだされ」
「はて隠匿うとおっしゃいますのは? ああ解りました。ではあなた様は、また当邸へおいでなさる気で?」
「うんにゃ、違う! そうではござらぬ。私は隣家に住んでおるよ」
「専斎殿のお邸にな?」
「さようさようヘボ医者のな」
「道理で近来専斎殿は不幸つづきでござります」