후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
……ちっとも早く……」
そっと甚右衛門は囁いた。
「兄貴、お礼の言葉もねえ」
「なんの昔は同じ身の上、足は洗っても義理は捨てねえ」
「それじゃ兄貴」
「たっしゃで行きねえよ」
勾坂甚内は身を飜えすと、小暗い家蔭へ消えてしまった。
寂然と更けた富沢町。人っ子一人通ろうともしない。
サ、サ、サ、サ、サッと、爪先で歩く、忍び足の音が聞こえて来たが、一軒の家の戸蔭からつと浮かび出た一人の武士。辷るように走って来る。と、その行く手の往来へむらむらと現われた一群の捕り手。
「御用!」と十手を宙に振った。「遁がれぬところだ勾坂甚内、神妙にお縄を頂戴しろ!」
「…………」甚内はそれには答えずに、かえってそっちへ駈け寄せて行く、その勢いに驚いたものか、捕り手はパッと左右へ開いた。その真ん中を馳せ抜けようとする。ピュ――ッと響き渡る呼子の笛。これが何かの合図と見えて、甚内を目掛けて数十本の十手が雨霰と降って来た。これには甚内も驚いたが、そこは武蔵直伝の早業、十手の雨を突っ切った。大小の鍔際引っ抱え十間余りも走り抜ける。この時またも呼子の音が背後に当たって鳴り渡ったが、とたんに両側の人家の屋根から大小の梯子幾十となく、甚内目掛けて落ちかかって来た。