후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
しかし当時の記録にも古文書などにも吉備彦の事はなんら一行も書いてない。で意地の悪い読者の中にはこの事実を楯に取って吉備彦などと云う人間は存在しなかったとおっしゃるかもしれない。よろしい、僕はそういう人にはこういうことを云ってやろうと思う。
藤原時代の歴史たるや悉く貴族の歴史であって民衆の歴史ではなかったからだと。
吉備彦は富豪ではあったけれど貴族ではなくて賤民であった。綽名を牛丸というだけあって彼の職業は牛飼いであった。姓を馬飼と云いながら牛を飼うとはコレいかに? と、皮肉な読者は突っ込むかも知れないが、事実彼の商売は卑しい卑しい牛飼いであった。無論傍ら金貸しもした。
そういう卑しい賤民のことが貴族歴史へ載る筈があろうか。
さて、吉備彦は家へ帰ると六人の子供を呼び集めた。県、赤魚、月丸、鯖、小次郎、お小夜の六人である。お小夜だけが女である。
「ここに六歌仙の絵巻がある。お前達六人にこれをくれる。大事にかけて持っているがいい。……俺は今無財産だ? 俺は家財を棄ててしまった。いやある所へ隠したのだ。俺からお前達へ譲るものといえばこの絵巻一巻だけだ。大事にかけて持っているがいい。