후리가나로 읽는 일본 고전
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かがみのなかのつき
鏡の中の月
宮本 百合子
宮本 百合子의 鏡の中の月(かがみのなかのつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,290자 · 15화면
そして、ハンケチで生え際を押えながら、瀧子が、
「あなた、狭谷町の山口さんから、何か話きいているの?」
と言い出すや、
「アラ、もう聞いているの」
いかにも他意なくはしゃいだ口調で、ゆき子は、
「でも私、実は困っちゃっているのさ」
人のよい、嘘のつけない当惑の皺をよせた。
「あの山口さんてひとは、信用もあるし、よく出来た男なんだけれど、どうも一つこまったことがあってね、そいであなたのことをたのまれながらつい渋っていたの」
瀧子は、我知らず団扇づかいを早めながら、
「ゆうべ、来たんですよ、突然」と云った。
「へえ。そうお? 元の細君だった女が、どんな女でも入れてみろ、きっと出してみせるって言っているっていう話があるんでね」
真面目な友情から、ゆき子は「私、山口さんに言ったのさ、その点はどうなんですって、をれをはっきり整理してからでなけりゃ、私としては瀧子さんには話がもち出せませんて言ったんだのに――ふーん、行ったの!」
ゆき子の好意はよくわかったし、それを出しぬいてひとり暮しのところへ直接来た山口の心底に何かいやな押しづよさが感じられるのであるが、元の妻であった女がそんなことを言っているということも、滑稽じみて莫迦らしかった。