후리가나로 읽는 일본 고전
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に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
泉 鏡花의 鏡花短篇集(に、さんば――じゅうに、さんば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,305자 · 66화면
さて、些と歩行かっせえと、岸で下してくれました。それからは少しずつ次第に流に遠ざかって、田の畦三つばかり横に切れると、今度は赤土の一本道、両側にちらほら松の植わっている処へ出ました。
六月の中ばとはいっても、この辺には珍しい酷く暑い日だと思いましたが、川を渡り切った時分から、戸室山が雲を吐いて、処々田の水へ、真黒な雲が往ったり、来たり。
並木の松と松との間が、どんよりして、梢が鳴る、と思うとはや大粒な雨がばらばら、立樹を五本と越えない中に、車軸を流す烈しい驟雨。ちょッ待て待て、と独言して、親仁が私の手を取って、そら、台なしになるから脱げと言うままにすると、帯を解いて、紋着を剥いで、浅葱の襟の細く掛った襦袢も残らず。
小児は糸も懸けぬ全裸体。
雨は浴るようだし、恐さは恐し、ぶるぶる顫えると、親仁が、強いぞ強いぞ、と言って、私の衣類を一丸げにして、懐中を膨らますと、紐を解いて、笠を一文字に冠ったです。
それから幹に立たせて置いて、やがて例の桐油合羽を開いて、私の天窓からすっぽりと目ばかり出るほど、まるで渋紙の小児の小包。
いや! 出来た、これなら海を潜っても濡れることではない、さあ、真直に前途へ駈け出せ、曳、と言うて、板で打たれたと思った、私の臀をびたりと一つ。