후리가나로 읽는 일본 고전
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かいかのおっと
開化の良人
芥川 竜之介의 開化の良人(かいかのおっと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,438자 · 32화면
』私『じゃ僕の方から手紙を出す事にしよう。』そこで私は徐に赤いモロッコ皮の椅子を離れながら、無言のまま、彼と握手を交して、それからこの秘密臭い薄暮の書斎を更にうす暗い外の廊下へ、そっと独りで退きました。すると思いがけなくその戸口には、誰やら黒い人影が、まるで中の容子でも偸み聴いていたらしく、静に佇んでいたのです。しかもその人影は、私の姿が見えるや否や、咄嗟に間近く進み寄って、『あら、もう御帰りになるのでございますか。』と、艶しい声をかけるじゃありませんか。私は息苦しい一瞬の後、今日も薔薇を髪にさした勝美夫人を冷に眺めながら、やはり無言のまま会釈をして、々俥の待たせてある玄関の方へ急ぎました。この時の私の心もちは、私自身さえ意識出来なかったほど、混乱を極めていたのでしょう。私はただ、私の俥が両国橋の上を通る時も、絶えず口の中で呟いていたのは、「ダリラ」と云う名だった事を記憶しているばかりなのです。
「それ以来私は明に三浦の幽鬱な容子が蔵している秘密のを感じ出しました。勿論その秘密の※(「均のつくり」、第3水準1-14-75)が、すぐ忌むべき姦通の二字を私の心に烙きつけたのは、御断りするまでもありますまい。