후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきとどろ
雪と泥
山本 周五郎
山本 周五郎의 雪と泥(ゆきとどろ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,993자 · 40화면
昨日から曇りがちだったのが、今日は鼠色の雲が空をすっかり掩って、いまにも降りそうなけしきであった。風はないが、気温はひどく下って、道の脇には朝の雪が溶けずに残っている処もあった。まるで追われるように、せかせかと広小路まで来て、彼はそこでふと立停った。
「ばかな、――」と舌打ちして呟いた、「伊丹へいってどうするんだ」
無意識のうちに、伊丹主馬の住居のほうへ歩いていたのである。彼は眉をしかめ、首を振った。それから、こんどは不決断な足どりで歩きだした。
――小出は純真すぎるからな。
また主馬の言葉が思いだされた。
――やつらにはいろいろと手があるよ。
折之助は唇を噛んだ。
「伊丹はそれみろと云うだろう、伊丹に限らず、話だけ聞けば誰でもそう云うに違いない」彼は口の中でぶつぶつ呟いた、「――おしのの気持のわからない者には、誰にだって理解はできやしない、……本当に騙すつもりなら、おしのはあんな話はしないだろうし、あんなふうに身を任せもしなかったろう、哀れなのはおしのだ、もうなにも心残りはないと云ったが、うちあけてしまえば逢えなくなると思い、おそらく死ぬ気になっているのだろう、……あの口ぶりでは慥かに死ぬ決心をしていたようだ、可哀そうに、可哀そうにな、おしの」