후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのしょうじ
雪の障子
島崎 藤村
島崎 藤村의 雪の障子(ゆきのしょうじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,331자 · 3화면
それを踏めば歓びが湧く。わたしの郷里はそれほど雪の深い山里でもないのだが、それでも家の前の旧い街道は毎年のように白い雪道に変ったものだ。革のむなび、麻の蠅はらい、紋のついた腹掛から、鬣、尻尾まで雪に濡れながら荷馬の往来したのも、あの道だ。古いわたしの家に生れたものは、祖父も、父も、みな往時旅人の送り迎えに従事した人達であったから、雪が来るたびにわたしはいろいろなことを思い出す。そしてあの山間の雪道を踏んで働いた遠い祖先の方にまで心をさそわれる。
雪の中にはいろいろなものが隠れている。ちょっと思い出して見たばかりでも、幻のように立つ像は数え切れないほどある。あるものは血をもって雪を染め、あるものは深い雪の中に坐りつくした。
雪中の動きこそ、昔の人達がいろいろさまざまな形でわたしたちに教えて見せて呉れた生命表現のおもしろさではある。あの不死の鳥のような鷺娘の濃情が古い舞踊の一つとして今日まで残り伝えられているというのも、雪中の動きからだ。眼に入る冬の牡丹花に千鳥の啼き声をききつけ、寒苦の思いを雪のほととぎすにまで持って行った古人の想像は、やはりこの消息を語っている。