일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きりのばんしゃ

霧の蕃社

中村 地平

中村 地平의 霧の蕃社(きりのばんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,389자 · 57화면

아오조라 문고

二

女、子供の区別なく内地人とさえみれば相手かまわず突きすすんでゆくのである。

剣をふりかぶって蕃人たちときりむすんでいた佐塚警部の頭に、ふっと、通り魔のように頭目モーナルーダオの顔が浮んだ。恐るべき兇行の首謀者は彼を措いては、他に考えることはできない。佐塚警部は忙しくそう考えた。

二

恐るべき惨事の原因を知るためには、古く明治四十二年に遡らなければならない。

理蕃の政策として、まだ隘勇線が設けられていた頃の話である。隘勇線というのは、まだ帰順しない生蕃を包囲する一種の警戒線の謂いである。その線に副ったところどころには武装巡警の屯所を設けて、内外の交通を断ちきってしまう。必要に応じては鉄条網をはりめぐらすこともある。外界との聯絡を断たれて困っている生蕃へは、威嚇や攻撃やをいっそうはげしく加えるのである。生蕃が帰順すると、始めて線の外に解放する。遂いには山の頂きにまで線をちぢめ、最後に未開の地をなくしてしまう、という方法である。

その頃、モーナルーダオは霧社に在るマヘボという蕃社の頭目であった。体の巨きい、どちらかといえば無口な男であったが、勇武に卓れており、また一徹で正直であったため、部落のなかに勢望があった。