후리가나로 읽는 일본 고전
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
菊池 寛의 青木の出京(あおきのしゅっきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,513자 · 43화면
「はあ」と答えると、雄吉は気軽に立ち上った。また、いつものように、到来物の礼状でも書かされるのだなと思いながら、長い廊下を通って、主人の部屋へ行った。いつもは、微笑を含みながら、雄吉を迎える主人が、にこりともしないで、苦り切ったまま座っているので、雄吉はいささか勝手が違いながら、座って礼をした。すると、主人は、「はなはだ不快な用事だが」といいながら、その膝の上に置いてあった紙入から、小さい紙片を取り出して、雄吉の目の前に押しやりながら、
「どうだ、それに覚えがあるかな」と、硬い、凍ってしまったような声でいった。雄吉は、なんだか見覚えがあるように思った。彼は、恐る恐る、それを取り上げた。雄吉の目が、紙面を見詰めた瞬間に、彼の全身は水を浴びせられたように戦いた。それは紛れもない、百円の小切手であった。しかも自分が、青木の命令によって、唯々諾々として○○銀行支店へ引き出しに行った百円の小切手に相違なかった。主人は、雄吉の顔面に現れた狼狽を見済すと、以前よりももっと冷たい声で、
「その裏の署名捺印は、お前のに相違なかろうな」といった。雄吉はぶるぶる震える手で裏を返して見た。