후리가나로 읽는 일본 고전
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
海野 十三의 鞄らしくない鞄(かばんらしくないかばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,653자 · 73화면
私としては出来得るかぎりの御便宜を図るでありましょう。どうぞ目賀野先生へよろしく」
そういわれれば誰でも面会の終へ来たことに気がつくものである。臼井青年は、いい足りなさそうな顔付で、その部屋を出て行った。
臼井の姿が部屋から消えると、課長はその途端に彼から頼まれたことを一切忘れてしまった。これは永年に亙る課長の修養の力でもあったり且又習慣でもあった。“ものごとを記憶するよりは、出来るだけ忘れよ”という金言があったと確信している田鍋課長であった。
だが課長は、間もなく臼井から頼まれたことをはっきり思い出さないわけにはいかない運命の下にあった。それは彼が忠実に未決書類函へ手を延ばし、黒表紙の引継簿の仕切紙の挟まっているところを開いて読んだときに、そうなったからである。
その頁は、昨夜の池袋駅事件につき、第二報告書が赤インキで書き入れてあって、
“――前記姓名未詳の男は、二十五歳前後の青年にあらずして、実は六十五歳前後の老人なること判明せり。かく判明せる原因は、該要保護人を署内(目白署)に収容せる後に至りて、該人物が巧妙なる鬘を被り居たることを発見せるに因る。