후리가나로 읽는 일본 고전
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ふろをかうまで
風呂を買うまで
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 風呂を買うまで(ふろをかうまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,387자 · 5화면
幸に大抵の民家には大きい甕が一つ二つは据えてあるので、その甕を畑のなかへ持ち出して、高粱を焚いて湯を沸かした。満洲の空は高い、月は鏡のように澄んでいる。畑には西瓜や唐茄子が蔓を這わせて転がっている。そのなかで甕から首を出して鼻唄を歌っていると、まるで狐に化かされたような形であるが、それも陣中の一興として、その愉快は今でも忘れない。甕は焼物であるから、湯があまりに沸き過ぎた時、迂濶にその縁などに手足を触れると、火傷をしそうな熱さで思わず飛びあがることもあった。
しかしそれは二十年のむかしである。今のわたしは野天風呂で鼻唄をうたっている勇気はない。行水も思ったほどに風流でない。狭くても窮屈でも、やはり据風呂を買おうかと思っている。そこでまた宿無しが一句うかんだ。
宿無しが風呂桶を買ふ暑さ哉
(大正十三年七月)