후리가나로 읽는 일본 고전
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ふうきんとさかなのまち
風琴と魚の町
林 芙美子
林 芙美子의 風琴と魚の町(ふうきんとさかなのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,372자 · 27화면
「お父さんが商売があってみい、何でも買うてやるがの……」
3 私は背中の荷物を降ろしてもらった。
紫の風呂敷包みの中には、絵本や、水彩絵具や、運針縫いがはいっていた。
「風琴ばかり鳴らしよるが、商いがあったとじゃろか、行ってみい!」
私は桟橋を駆け上って、坂になった町の方へ行った。
町が狭隘いせいか、犬まで大きく見える。町の屋根の上には、天幕がゆれていて、桜の簪を差した娘達がゾロゾロ歩いていた。
「ええ――ご当地へ参りましたのは初めてでござりますが、当商会はビンツケをもって蟇の膏薬かなんぞのようなまやかしものはお売り致しませぬ。ええ――おそれおおくも、××宮様お買い上げの光栄を有しますところの、当商会の薬品は、そこにもある、ここにもあると云う風なものとは違いまして……」
蟻のような人だかりの中に、父の声が非常に汗ばんで聞えた。
漁師の女が胎毒下しを買った。桜の簪を差した娘が貝殻へはいった目薬を買った。荷揚げの男が打ち身の膏薬を買った。ピカピカ手ずれのした黒い鞄の中から、まるで手品のように、色んな変った薬を出して、父は、輪をつくった群集の眼の前を近々と見せびらかして歩いた。