후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとつのエチケット
風雪のビバーク
松濤 明
松濤 明의 風雪のビバーク(ひとつのエチケット)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,561자 · 11화면
よほどのこと、私はそうしようかと思った。
だが母の顔、伯父の顔、弟や妹のこと等を思い浮かべると、そうすることはできなかった。
「俺は今山を想っているのではない。自分のかつて山で過した楽しかった日を懐しんでいるのだ。それに違いない、それに過ぎないのだ……」そう思って自分を見詰め返して見た。そしていくぶん落ちつきを取りもどした。
「自分は山を離れなくてはいけない。いつまでも山に執着することは自分を幸福にする途ではない」その後も、しばしばこうした事は起こった。しかしそのつどそれは抑えつけ、そして抑え付けることもできた。自分の本当の幸福ということのために……。だがこうして諦められると思った山が、所詮自分とはどうしても切り離すことのできない存在であることを、一方では次第に肯定するような気もした。そして結論はその方に落ちついた。東京へ出て、昔の山仲間が焦土の中での都会生活が無味なものになっただけに、元気で山を忘れず、むしろそれを一層美しい夢として、今もなお思慕している姿に接してからのことであった。(昭和二十一年十二月二十五日)