후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
何か一筋、心のしんになる確りした考え。何か一業、人に優れて身の立つような職能を捉えないでは生きて行くに危いという不安は、殊にあの心の底に伏っている焦々した怒ろしい想いに煽られると、居ても立ってもいられない悩みの焔となって彼を焼くのであるが、その焦熱を感ずれば感ずるほど、彼はそれをまわりで擦って掻き落すよう、いよいよ雑多と変化の世界へ紛れ込んで行くのであった。彼はこの間に持って生れた器用さから、趣味の技芸なら大概のものを田舎初段程度にこなす腕を自然に習い覚えた。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家でも彼を歓迎した。棋院では初心の客の相手役になってやるし、琴の家では琴師を頼まないでも彼によって絃の緩みは締められた。生花の家でお嬢さんたちのための花の下慥え、茶の湯の家ではまたお嬢さんや夫人たちのための点茶や懐石のよき相談相手だった。拓本職人は石刷りを法帖に仕立てる表具師のようなこともやれば、石刷りを版木に模刻して印刷をする彫版師のような仕事もした。そこから自ずから彼は表具もやれば刀を採って、木彫篆刻の業もした。字は宋拓を見よう見真似に書いた。画は彼が最得意とするところで、ひょっとしたら、これ一途に身を立てて行こうかとさえ思うときがあった。