후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
「そんなことをいったって――」鼈四郎はひょんな表情をして片手で頭を抱えるだけてあったが、伯母の説得は間がな隙がな弛まなかった。「あなたも東京で身を立てなさい。東京はいいところですよ」といって、鼈四郎の才能を鑑検し、急ぎ蛍雪館はじめ三四の有力な家にも小使い取りの職仕を紹介してこの方面でも鼈四郎を引留める錨を結びつけた。伯母は蛍雪館が下町に在った時分姉娘のお千代を塾で引受けて仕込んだ関係から蛍雪とは昵懇の間柄であった。
何という無抵抗無性格な女であろうか。鼈四郎は伯母の末の娘で檜垣の主人の従姉妹に当るこの逸子という女の、その意味での非凡さにもやがて搦め捕られてしまった。鼈四郎のような生活の些末の事にまで、タイラントの棘が突出ている人間に取り、性抜きの薄綿のような女は却って引懸り包まれ易い危険があったのだった。鼈四郎の世間に対する不如意の気持から来る八つ当りは、横暴ないい付けとなって手近かのものへ落ち下る。彼女はいつもびっくりした愁い顔で「はいはい」といい、中腰駈足でその用を足そうと努める。自分の卑屈な役割は一度も顧ることなしに、また次の申付けをおどおどしながら待受けているさまは、鼈四郎には自分が電気を響かせるようで軽蔑しながら気持がよいようになった。