후리가나로 읽는 일본 고전
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
白柳 秀湖의 駅夫日記(えきふにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,989자 · 69화면
二
品川行きの第二十七列車が出るまでにはまだ半時間余りもある。日は沈んだけれども容易に暮れようとはしない、洋燈は今しがた点けてしまったし、しばらく用事もないので開け放した、窓に倚りかかってそれとはなしに深いもの思いに沈んだ。
風はピッタリやんでしまって、陰欝な圧しつけられるような夏雲に、夕照の色の胸苦しい夕ぐれであった。
出札掛りの河合というのが、駅夫の岡田を相手に、樺色の夏菊の咲き繚れた、崖に近い柵の傍に椅子を持ち出して、上衣を脱いで風を入れながら、何やらしきりに笑い興じている。年ごろ二十四五の、色の白い眼の細い頭髪を油で綺麗に分けた、なかなかの洒落者である。
山の手線はまだ単線で客車の運転はホンのわずかなので、私たちの労働は外から見るほど忙しくはない。それに会社は私営と来ているので、官線の駅夫らが嘗めるような規則攻めの苦しさは、私たちにないので、どっちかといえばマアのんきというほどであった。
私はどうした機会か大槻芳雄という学生のことを思い浮べて、空想はとめどもなく私の胸に溢れていた。大槻というのはこの停車場から毎朝、新宿まで定期券を利用してどこやらの美術学校に通うている二十歳ばかりの青年である。