후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 261,216자 · 521화면
「そちか! ……」
「や? ……お綱さんッ……」
海潮の激音と風の間に、きれぎれな声がかすれて飛んだ。白い激浪の泡立つ瀬戸に、四人の影はひとつ舟の中にかたまった。
――みるまに渦潮のかなたへ。
夜が明けた。
竹屋三位と、お十夜と湧井道太郎は、淡路の蔭をゆるく縫う番船の胴の間に仆れていた。
夜来の疲れで、刀を抱いて、寝ていた。
柔和な海面。
ソヨソヨと撫でる微風。
秋の陽だけがカッと強く帆や船板や、三人の肩に照りついている。
* * *
「おい、お千絵様。おめえがそうメソメソ泣いてばかりいると、飯も酒もまずくってしようがねえ」
旅川周馬と同腹になって、お千絵を山科の自分の家へかどわかしてきた偽虚無僧――今はそれを脱いで垢じみた博多の帯に黒紬を着流している堀田伊太夫。
煤だらけな浪宅に竹脚の膳をすえ、裂いた松茸に鮒の串焼、貧乏徳利をそばにおいて、チビリ、チビリ、昼の酒。
あぐらをくんだ毛脛まで真っ赤にして、伊太夫、濁った眼をドンヨリとお千絵様にすえて、
「いい加減にしやアがれ」
と、口をゆがめた。
大津絵が貼りまぜしてある押入れ戸棚のすみに、お千絵は、小さくうずくまっていた。