후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,957자 · 114화면
「お米、わしもにわかに、御城下へ帰る都合になったから、すぐに支度をせい」
「え、これからすぐに」
「ウム、空も少し曇り模様、明日とのばして雨にでもなると困る。疲れたであろうがすぐに立とう」
「いいえ、まだ歩けないほどではございません」
隠れていた藁ぶとんの蔭から、そういいながら、襟をかきあわせて立ったお米は、徳島へではなく、大阪表へ早く帰れる都合になったうれしさを、思わず顔に出している。
酔いと疲れで、だらしなく寝込んでいた仲間の宅助、にわかに起こされてうろたえながら、またわらじの緒を結びなおして、裏道から四、五丁出てゆくと、啓之助は菅笠に霰の打ッさき羽織で、先に廻って待ちあわせていた。
「もし家中の者に出会ったら、わしの側を離れて、素知らぬ振りをしてゆくがよい。吉野川へ出れば下りの舟、乗ってしまえば別に人目の心配はないわけだが」
匿し女を持っているのも、なかなか細心でなければならぬ。啓之助は歩きながら、たまたまくる里の百姓にも気を配って、お米と道をひとつにして行く。
「徳島へつくと、わしは屋敷へも寮へも寄っている暇がない。さッきお前が聞いていた通りの事情で、すぐに登城して殿へ委細の報告をせねばならぬから――。