후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,957자 · 114화면
旅川周馬は、お十夜と背なかあわせに向いて、むらがる弥次馬を追っぱらいながら、顎のにきびをつぶしている。
そのうちに、湯番がきて、会田屋の肩をもったり、喧嘩と思いちがいして、仲裁に入る侍が出たりして、お十夜のかけあいも、ついに、一場の喜劇となってしまった。
土地には土地の約束もあるし、ことに、温泉町のような場所には、犯すべからざる旅客の掟がある。いくら一角の自来也鞘や、周馬の風采にひと癖ありとみえても、めッたにそれを破らすものではない。
なおこれ以上の騒動を起こすと松本の代官所からやっかいな者が出張ってくる懸念もあり、かたがた衆人環視の中なので、ぜひなく三人は、会田屋の前を離れた。
しかし、そこを去ったとはいうものの、もとより素直にこの諏訪の温泉の町を出てしまったわけでは無論ない。七、八歩あるいて、すぐ前の十三屋という家へ入った。そして、会田屋の二階と向い合っている表二階を明けさせて、ここから前の出口を見届けていようということになった。
さらに、それでも不安な点があるので、宿の者に過分な心づけを与えて、あの時刻に、会田屋へ入った男女の客が、裏口からでも立った時には早速知らせてくれと、念入りに手を廻して、さて、やっと、旅装を解いたのである。