후리가나로 읽는 일본 고전
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
内藤 鳴雪의 鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,693자 · 377화면
旅贅は未だ旧藩の出張所員からくれたので、豊かでもないが、それで東海道の名所位は少しの廻り道をしても見物しようと思い定めた。頃は三月であったろう、東京を出発して、その時はもう人力車がどこにもあったから、一日の行程も以前よりは早くはかどって、大阪まで着いた。川止めなども旧藩時代の如く殊更らなことをせぬから何の滞りもなかったのである。それから可笑しいのは最初廻り道をしても、名所古跡を訪いたいと思ったのが、人力に乗って駈け出させては、そんな事をして時間を費すのが惜しくなって、何所一つ道寄りをせなかった。要するに、山水その他の見物は私の性質として余り好まない。俳句では随分、景色等の事も詠むが、多くは理想的に描くのである。こんな風だから、まだ俳句を始めぬその頃の私では、かく無風流に旅行して終った事も不思議はないのである。一つ記憶に残っているのは、大阪の或る宿へ着いた時、一番東京風を見せるつもりで、女中に二朱ばかりの祝儀を与えた。するとこの地ではそんな習慣がない所より、宿に居る女中が、後から後から出て来て、それにも遣らずには済まないから、大分散財をした事であった。