일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

鷹野 つぎ의 鷹野つぎ――人と文学(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,840자 · 43화면

아오조라 문고

このソマトーゼはもとは六円五十銭でしたが、只今は十円近いでしたよ。いや実に高価くなったものです」

私は黙って小箱などにはひと眼もくれず、じっとかれの方を見守らずにいなかった。私は漸く妹の病苦よりも金銭を先に云う彼が憎くなってきた。私は撥ね返す沈黙で彼れをむこうへ追いやりたかった。

到頭この日も附添婦を雇う話は、こんなことで有耶無耶のうちに過ぎてしまった。

ところがその翌日の昼ごろには、うす物の良い身なりをした大兵肥満の女のひとが素通りで、とよ子の方へはいって来た。前後の事情で問わずとも次兄の妻女ということが、私にはわかっていた。

彼の女は重い腰を丸椅子におちつけると、もう初めから沈黙であった。とよ子も黙っている。それは、そうして相対して時を移している沈黙は長兄の嫂の場合の時よりも陰惨に感じられた。

とよ子は今、その精神を寸断されている、と私は思った。人の生活の苦しみはどこにもあるし、云い分のある事情もそれぞれどこにもあるであろうけれども、人を余計者、生存に堪えがたくさせる仕打は、この世の最も冷酷な、理由の立たぬ態度ではあるまいか。

暗い思いで沈黙していた声帯は、これほども濁るものかと思われるほどの、低い太い声で、やがてぽつりと肥満の女は云い出した。