후리가나로 읽는 일본 고전
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てらだとらひこ
黄道
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 黄道(てらだとらひこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,971자 · 59화면
もとより火を消す必要もなく、また放火者が近づいて来たわけでもなかったのであるが、こうして我々は全市を揺り動かしている恐慌にたちまちにして感染したのである。
夜じゅう何者かを追いかける叫び声が諸々方々で聞こえた。思うにそれは天災で萎縮していた心が反撥し抵抗する叫び声であった。ちょうどその抵抗心が高潮している初夜のころから、東方の火焔は漸次鎮静し始め、十二時ごろには空の赤さがよほどあせていった。ようやくそのころに、延焼の怖れはもうなかろうと思い出したのである。しかし煙はまだ依然として立ちのぼっている。全然安心したのは、火の色がどこにも見えなくなった暁方の四時ごろである。
三日の朝は、やっと天災が止んだという快活な印象を与えた。自分のように引っ込み思案なものも、この日は親類や友人の安否をたずねようという気持ちになった。まず焼けたらしく思われる方角から始めた。通りを歩くと汚れたゆかたでなりふりもかまわず足を引きずって行く避難者がまだなかなか多い。東京の方へ出掛ける人も人探しらしいのが頻々として目につく。すべてがいっさいの修飾を離れて純粋な人間の苦しみを現わしている。