후리가나로 읽는 일본 고전
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くろいわるいこうのこと
黒岩涙香のこと
平林 初之輔
平林 初之輔의 黒岩涙香のこと(くろいわるいこうのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,554자 · 6화면
欧州戦争の末期に、『万朝報』は、執拗に仏国出兵を主張した。これは仏国政府との間に妙な関係があったのだという説があった。いまだに私はその真偽は知らぬが、恐らくそれは事実だろうと思う。それにしても、私はその当時まだ欧州戦争のほんとうの性質――それが帝国主義国家間の略奪戦争であったという性質――を知らず、よほどフランスびいきだったので(これは弱いものにひいきするという人類に共通の心理からだったのか、連合国の正義人道のプロパガンダのおかげかはっきりおぼえていないが)、仏国出兵の主張にも共鳴したのであった。
思想家としては、天人論の著者として、彼の名は当時の青年の心に強い影響を与えた。一種の哲人主義の思想が、露骨な政権争奪以外に何の背景もない人たちの思想にくらべて若いインテリゲンチャの心をひいたものだと思う。
それでいて、この人は、ビジネスにも抜け目がなくて、決して金銭に超越している人ではなかったということである。そういう人はどこもあまりよく言われないのが通例であるが彼もその例にもれず、晩年にはあまり評判がよくなかったようである。しかし、新聞のエディターとして、また政界にも活躍しようとする野心をもっていたらしい人として、利益問題に超越してなどおれないことは、無理もない話であるのだが。