후리가나로 읽는 일본 고전
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くろいわるいこうのこと
黒岩涙香のこと
平林 初之輔
平林 初之輔의 黒岩涙香のこと(くろいわるいこうのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,554자 · 6화면
二
二
黒岩周六〔本名〕といえば、いま生きていたら、大亜細亜主義の大旆でも振りかざして政府を泣かせることを職業とするムッソリーニ式英雄を思い出すが、黒岩涙香というペンネームをきくと、どうしても噫無情や鉄仮面の読者を思い出す。
実際、彼は黒岩という世にも頑固な姓と、涙香という世にもやさしきペンネームとの持ち主であったように、性格や趣味も非常に多方面的であったらしい。中でもいちばん私に興味のあるのは、彼が、非常に賭博の研究家で、古今東西の賭博に関する知識は驚くべきものであったということ、そして単に知識が深いのみならず、実際にも賭博が非常に好きであったということである。S氏の話にもあると思うが(私はそばできいていたので)彼が講和会議へ随行したとき、欧州へ旅をして、まず第一に彼が憧憬のまととなったのは世界の賭博の本場であるモナコであったということである。そして汽車の中で、通訳として随行していたS氏にノートブックを幾冊となく買わせ、何をするかと思うと、帽子をぬいで、その中へ骰子を二ついれて、帽子を揺り動かしては中の骰子をころがして二つの骰子の表へ出た数の和を記していき、それを記したノートブックが欧州旅行中に十数冊もたまったということである。